テレビ、冷蔵庫、照明など私たちの生活の一部である電気は、目にも見えず、音も、匂いもありません。そんな不思議な電気の正体は、物質の中を自由に動き回る“電子(自由電子)”のことです。電子が自由に動きやすいものを“導体”といい、結びつきが強すぎて電子が動きにくいものを“絶縁体”といいます。
電気の流れ方には、直流と交流の2種類があります。
直流は、電気の大きさ(電流)と強さ(電圧)がほぼ一定で、+極とー極が決まっている電気の流れ方です。
直流は、DC(Direct Current)とも言います。電池で光る懐中電灯は直流を使っており、電池を+極とー極で逆に入れると電気が流れないので光りません。
一方、交流はAC(Alternating Current)と言い、+極とー極が交互に入れ替わり、電流と電圧も周期的に変化します。家庭用のコンセントは交流なので、挿し込む方向を気にせず使えるのはそのためです。家電製品のほとんどはコンセントにつなぎますが、電流・電圧が一定の直流の方が使いやすいので、製品内部で交流を直流に変換して使ったりしています。
コネクタは、電気を繋ぐ機構部品です。基板やケーブルを介して、機器と機器を繋いだり、機器内部の配線をすることが出来ます。
● コネクタがないと
ケーブルを切断したら、その都度、はんだ等で接続しなければならないので大変です。
● コネクタがあると
簡単に電気を接続でき、簡単に切断もできます。
コネクタは、色々な種類がありますが、ここでは身近なUSBコネクタ(Type-C)を例に見てみましょう。
このコネクタでは、ケーブル側のコネクタを『プラグ』、機器側のコネクタを『レセプタクル』と言います。プラグとレセプタクルを接続することで、電気がつながります。
USBコネクタのような『基板とケーブル』を接続するコネクタの他に、
● 『基板と基板』を
接続するコネクタ
● 『基板と基板』を接続するコネクタ
● 『ケーブルとケーブル』を
接続するコネクタ
● 『ケーブルとケーブル』を接続するコネクタ
などがあります。
スマートフォンと充電器を繋ぐ、テレビとレコーダーを繋ぐなど、生活の中で機器と機器を繋ぐ役割をしているコネクタですが、生産現場においても機器の接続・分離のニーズに応え、主に、メンテナンス性・拡張性・輸送性・生産性といった4つのメリットがあります。
たとえば、コネクタの『メンテナンス性』とは・・・
スマートフォンのディスプレイ(画面)が割れてしまった場合で考えてみましょう。
● コネクタがないと
スマートフォンを買い替えなければいけません。
● コネクタがあると
ディスプレイはコネクタで接続されている為、破損したディスプレイのみを交換するだけで済ませることが出来ます。
また、コネクタの『生産性』とは、大量生産と生産時間短縮のため、ユニット毎に平行して生産し、それらをコネクタで簡単に組み立てることを言います。
コネクタの『輸送性』とは、設備などの大きな機器を適当な大きさのユニットに分割し、簡単な輸送ができることです。
コネクタの『拡張性』とは、コンピュータのメモリ増設などがあります。
コネクタによって『メンテンナンス性』や『拡張性』が向上することは、資源節約となり環境面でのメリットとして挙げられます。また『生産性』や『輸送性』により生産コストの削減になり、製品の高品質・低コストに貢献します。コネクタは電子機器にとって、なくてはならない部品の1つです。
コネクタを基板に取り付けることを”実装”といい、その代表的な方法は3つあります。
DIP実装とは、端子を基板固定用の穴(スルーホール)に挿入し、裏面を溶けたはんだ槽に浸けて固定する実装方法です。裏面から固定するため固定力が強いです。一方ではんだ量が調整しにくいため、隣の端子との距離が近い場合、はんだブリッジ(隣の端子とはんだで繋がってしまう不良)を起こす可能性があります。また、スルーホールのため、基板の両面を占有してしまうのがデメリットです。
SMT(Surface Mount Technology)実装とは、基板表面の実装部分にクリームはんだを塗り、部品を載せて、リフロー装置ではんだを溶かして固定する実装方法です。表面だけの実装のため裏面が有効に使えます。また、実装部分にだけ正確にはんだを塗ることができるので、小さい部品を実装するのに適しています。しかし、表面だけの固定のためDIPに比べると固定力が弱いです。
プレスフィットとは、端子を基板のスルーホールに圧入する実装方法です。はんだの使用を避けたい場合に有効な方法です。また、はんだを使わないため10~20年の長期使用でも経年劣化が少ないです。実装の際は圧入に耐えられる専用の基板と、圧入するためのプレス装置が必要になります。
ケーブルのつなぎ方は大きく分けて3種類あります。
はんだ付け結線とは、はんだを溶かして金属同士を接続させる古くからある結線方法です。汎用の工具を使用できますが、作業者の技能や使う治工具が結線の品質に影響します。
圧着結線とは、金属端子を潰してケーブルの芯線を包み込み接触させる結線方法です。各端子サイズに合う工具が必要になりますが、作業者の技能によるバラツキを抑えることが出来ます。また、自動圧着機を使うことで大量生産にも対応できます。
圧接結線とは、圧接端子のスリット部にケーブルを押し込み接触させる結線方法です。圧接が世に広まるきっかけとなったフラットケーブル(別名:リボンケーブル)は、あらかじめ電線がフラット状に整列されており、1度に複数の結線を行えるため作業性が良いです。しかし、接触面積が小さいので大きな電流を流すことには向いていません。
伝送速度とは、情報が伝わる速さのことです。情報を伝達するために記号化・符号化したものを信号と呼び、信号の最小単位を『bit』で表します。1秒あたりに送ることが出来る信号の量が『bps(bit per second)』です。
同等の速さの単位で、T/s(Transfer per second)という場合もあります。
では、ビデオカメラで撮影した1時間の動画をPCに取り込む場合で考えてみましょう。
1時間の動画が、5GB(ギガバイト)だったと仮定します。
*Byte(バイト)とは情報量のことで、1Byte=8bitで計算できるので、5GB=40Gbitになります。
伝送速度が10GbpsのUSB Type-Cを使用すると、取り込むのに掛かる時間は最速4秒という計算になります。
(実際には、接続するケーブルの種類などで変わります)
デジタル化がますます進み、情報量がどんどん大きくなっています。
そのため、コネクタも高速伝送が求められています。
![]() | ![]() とってもかしこい子。コネクタのことなら何でも知っていて、お友達のキューくんが分からないことを、いつもやさしく教えてあげます。 近くで見ると、ヒツジみたいにフワフワしています。 |
とってもかしこい子。コネクタのことなら何でも知っていて、お友達のキューくんが分からないことを、いつもやさしく教えてあげます。
近くで見ると、ヒツジみたいにフワフワしています。
![]() | ![]() エイチくんとは幼なじみで大親友。口グセは「えーっと」。 趣味はトランプゲームで、それもなかなか強いらしいのです。チョコチョコとした歩き方がチャーミングで、見ているだけで癒されてしまいます。 |
エイチくんとは幼なじみで大親友。口グセは「えーっと」。
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![]() | ![]() いつも不思議が湧き上がる、好奇心のかたまり。キューくんの周りはいつも「?」だらけ。 エジソンが小さかったころみたいに「なんで?」「どうして?」と周りを質問責めにする、無邪気な心を持っています。 |
いつも不思議が湧き上がる、好奇心のかたまり。キューくんの周りはいつも「?」だらけ。
エジソンが小さかったころみたいに「なんで?」「どうして?」と周りを質問責めにする、無邪気な心を持っています。