ホーム ヒロセ電機、ナノレベルの精度で金型の製造を可能にする宮古精密金型棟を稼働

[プレスリリース] ヒロセ電機、
ナノレベルの精度で金型の製造を可能にする
宮古精密金型棟を稼働 2018/5/22

ヒロセ電機、ナノレベルの精度で金型の製造を可能にする宮古精密金型棟を稼働
~製造品質の安定とダウンタイムの削減による
生産リードタイム短縮でマイクロコネクタ製造 世界No.1をめざす~

ヒロセ電機は、子会社の東北ヒロセ電機株式会社(岩手県宮古市)内に2階建て/1階 883㎡、2階 840㎡規模の「宮古精密金型棟」を新設し、2018/5/22から稼働します。主にスマートフォンや車載デバイス機器向けのマイクロコネクタ製品の早期量産立ち上げを実現し、100%良品での継続生産を目指すものです。

 

■ プレスリリース記事(PDF) 

 

  
新設した「宮古精密金型棟」

 

 

● 背景 100%良品を実現するカギを握る精密金型加工の体制を強化

 

マイクロコネクタ製造において100%良品を実現するには精密金型の加工がカギを握ります。これには金型の部品加工において、周囲温度による線膨張率の変化を最小限とすることが重要です。そのためには、一定環境下で加工をするのが最善である中、これまでは室内環境の管理温度が+/- 2度以内と幅がありました。また、金型の評価においても同様の条件下で精密測定を行う必要がありました。他に、金型製造工程で工場の「熟練職人」しか出来なかった工程があり、技術伝承面で課題がありました。

 

● 特徴 ナノ精度の金型、金型ライフサイクル延長、生産リードタイムの短縮、熟練職人のノウハウの工業化

 

1. 新金型棟概要

1階:室内温度を+/-0.5℃に維持したフロアに金型加工、金型測定、組み立て、及び 試作のための設備を配置。
2階:室内温度を+/-1℃に維持したフロアに試験及び、品質管理のための評価設備として高性能測定器を設置。
   新製品ラインの立ち上げ及び、検証を行うための設備も完備。

2. ミクロン → ナノレベル精度の金型製造へ

製造した金型をその場で一貫して組み立て、測定評価できる体制を整備。金属の加工機器はサイズも大きく温度による線膨張率の影響も大きい。その変化を最小限とするためには、一定環境下で一連の加工を行う必要がある中、これまでは室内環境の管理温度が+/-2度だったものを+/-0.5度のレンジで厳しくコントロール。

3. 金型ライフサイクル延長による生産性向上

特殊加工技術を導入し金型をメンテナンスフリーに。これにより、製造変化点の削減による安定生産状態の維持とダウンタイムの削減を実現し、100%良品の製造、及び生産性の向上を目指す。

4. 自社工場内対応によるデリバリー良化

従来の関連協力会社での金型製造と協働しつつ、加えてリードタイム短縮、緊急対応も可能に。「ものづくりネットワークの強化」を目指す。

5. 職人技術のデジタル化

金型製造工程で、「熟練職人」にしか出来なかった工程を取り込めるよう、加工機器を導入し職人の減少や技術継承の限界にも対策を打ち、金型製造のスピードアップにも寄与。

6. 製造拠点が海外へ流出していく中で国内製造へ更なる投資

東日本大震災の被害にあった宮古で地元の企業を起用し建屋を建設。ローカル人材の活用を積極的に行い、地元の雇用増加の一助となることを目指す。

7. 省エネ志向、及び震災からの教訓として有事の電源確保

40kWの太陽光パネル、20kWの蓄電池を設置。空調はヒートポンプによるエコ対応。また、排出した熱を他の部屋で再活用し効率化。外部とは部屋の周囲を取り囲む廊下により、断熱強化。景観条例に基づき建屋の周囲には76本の植樹を行い緑化にも寄与。

 

● 今後の取り組み 加工設備の増強、協力会社への先端技術展開により金型技術のボトムアップへ

 

加工設備に更なる投資を行い、金型製造能力の増強を行います。また、最先端の特殊加工技術開発について先陣を切り、社内で確立したものを関連協力会社へ展開、関連会社含む全体の製造技術力向上を目指します。

 

● 会社概要、関連情報

 

■(会社概要)ヒロセ電機株式会社 https://www.hirose.com/corporate/ja/about/corporate_data/