EMC試験室(電波暗室・シールドルーム)

EMC試験室(電波暗室・シールドルーム)、車載用コネクタ、自動車用コネクタ

EMC試験室開設の目的

車載用コネクタを中心に、これまでよりも電磁ノイズ耐性を持ったコネクタが求められています。
当社では社内でEMC評価を繰り返し、製品の品質向上を目指すために、
EMC試験室(電波暗室、シールドルーム)を新設しました。

試験では、「設計、解析、評価」の過程に
相互関係を持たせるコリレーション技術を活用します。
これによって、従来比1/3の期間で質の高いコネクタを設計することを目指します。
さらに、EMC特性の知見を蓄積し、新たな開発要求に対応できるようにしていきます。

EMC試験室のご紹介

当社のEMC試験室(電波暗室、シールドルーム)では、EMC測定の信頼性向上を目的に電波暗室を用いたEMC測定について、ISO/IEC17025 試験所認定の申請を行い、2018年7月24日に認定取得しています(試験所 認定証:RTL01600)。
さらに、iNARTE-EMC Engineer有資格者が在籍しており、適切にEMC試験が実施できる環境を整えています。

シールドルーム

シールドルーム、車載用コネクタ、自動車用コネクタ

シールドルームは、電磁波の外部からの侵入と内部からの漏えいを防ぐために、金属の板で覆われています。シールドルームでは、コネクタのノイズに対する耐性(Immunity)を評価します。

<主な仕様> 各種伝導イミュニティ試験設備
・BCI試験対応
・チューブインチューブ試験対応
・ESD試験対応
・E/FTB試験対応
・耐誘導ノイズ試験対応

電波暗室

電波暗室、車載用コネクタ、自動車用コネクタ

電波暗室では、電磁波の外部からの侵入を防ぎ内部の電波を吸収するため金属の板で覆われています。さらに内部は電波吸収体が設置されています。電波暗室ではコネクタから放射されるノイズ(Emission)の強さを評価します。

<主な仕様> 各種放射・伝導エミッション試験設備
・CISPR25試験対応
・CIPSR32確認試験対応

EMCソリューションのご紹介

BCI試験(ISO 11452-4)

BCI試験(ISO 11452-4)

車載機器のイミュニティ規格であるBCI試験では、ケーブルハーネスにノイズを印加したときにEUT(Equipment Under Test)に不具合が発生しないか確認を行います。

<BCI試験法>
・置換法
・閉ループ法

CISPR25 ALSE法

CISPR25 ALSE法

自動車と車載機器の放射エミッション規格であるCISPR25 ALSE法ではEUTからの放射ノイズの電界強度を、1mの距離でアンテナを用いて測定します。

<CISPR25試験法>
・ALSE法
・電流プローブ法
・電圧法

チューブインチューブ法
(IEC62153-4-7)

BCI試験(ISO 11452-4)

VNA(ベクトルネットワークアナライザ)を使い、コネクタとケーブルに信号を入力した際の電磁波の漏れを測定します。

<チューブインチューブ法>
・表面伝達インピーダンス
・遮蔽減衰量
・結合減衰量

ESD試験
(IEC61000-4-2)

CISPR25 ALSE法

ESDガンで静電気を印加し、EUTの誤動作、破損などが起きないか確認を行います。

<ESD試験法>
・気中放電
・接触放電

コリレーション技術について

「設計、解析、実測」にコリレーション(相関関係)を持たせることで、解析結果から実測結果の予測が可能になります。これによって、開発の初期段階でコネクタ性能を最適化できます、当社では、この「設計、解析、実測」を一つの拠点で集約してできる体制を整え、製品の品質向上と開発リードタイム短縮の両立を図っています。さらに、実測の過程では、実際の基板や機器を使って試験を行い、機器が相互に与える影響まで調査して製品を作り上げています。

当社のコリレーション技術の利点
・すべての過程を一拠点で実施。製品の品質向上と開発リードタイムの短縮につなげる
・実装に近い環境で評価。製品の品質をさらに確保する
・試験結果とその知見を蓄積。新製品開発に生かす

実測結果をフィードバックすることで解析精度を高め、
設計段階でのEMC性能の最適化を目指します!

iNARTEのご紹介

iNARTE (The International Association for Radio, Telecommunications and Electromagnetics)

iNARTE

iNARTEは、1982年創設の米国の非営利団体で、米国FCC(Federal CommunicationsCommission)が所管していた通信従事者の資格認定試験、免許授与業務の民営化組織として設立され、電気通信分野の技術者の技術スキル認定から始まった組織です。
その後、政府機関の要請で、1988年のEMC分野の試験認定制度を発足させ、2003年には製品安全分野の資格認定制度を開始させました。
2012年、iNARTEはRABQSA International, Inc. (2013年にExemplar Global. Inc. に名称変更)の傘下となり、iNARTEは一つのブランドとしてグローバル展開されています。

iNARTE-EMC Engineer/Technician 資格

iNARTE-EMC Engineer/Technician 資格とは、1988年に作られたEMCの技術スキルを認定するグローバルな技術者資格です。KECでは1998年にiNARTEと連携して、同1998年にiNARTE EMC Engineer(技術者)、2001年に“iNARTE EMC Technician”の資格制度を日本に導入。講演会開催から試験実施まで資格取得のためのサポートを進めています。

有資格者の在籍

ヒロセ電機では、iNARTE-EMC Engineer有資格者が在籍しており、適切にEMC試験を行い、かつ試験結果に対して対応策が打てる環境を整えています。

iNARTE