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新たな幹線ジョイント部材としての活用が施工プロセスを変える ~建設業界で求められる“省力化”にゼロスクリュー™端子台が貢献~
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幹線ジョイント部材にゼロスクリュー™端子台EF2シリーズを導入、テナント入れ替え時はジョイント部分までの配線だけを交換
株式会社竹中工務店 新 知之氏

商業施設をはじめ、スタジアムや学校・教育施設、伝統建築など多様な施設の建設を手掛ける株式会社竹中工務店は、2017年11月30日に竣工した『MEGURO CENTRAL SQUARE(目黒セントラルスクエア/東京都品川区)』で、電気設備工事における電線の幹線ジョイント部材として、ヒロセ電機株式会社の『ゼロスクリュー™端子台 EF2 シリーズ』を採用した。その経緯を、株式会社竹中工務店 東京本店 設備部 設備施工管理グループ 副部長 新 知之氏に伺った。

導入経緯 人材確保が困難な建設現場での省力化

MEGURO CENTRAL SQUARE

スーパーゼネコンの1社として数多くの建築を手掛けている竹中工務店では「想いをかたちに 未来へつなぐ」をコーポレート・メッセージに掲げ、グループ全体で「まち」の企画・計画から建設、維持運営まで含めたライフサイクル全てに関わり、サステナブル社会の実現を目指し事業を展開されている。

同社が手掛ける施工現場では、品質管理はもちろん、工程や安全性、コストの面で最適な管理を徹底されているが、近年では“省力化”に注目されているという。「2020年に日本で開催されるビッグイベントやそれ以降の大規模物件も目白押しのなか、労働力人口の減少も相まって作業者の確保は一層難しくなっています。高い品質の確保は当然ですが、省力化への取り組みを積極的に進めなくてはなりません」と語るのは、設備部で現場の施工管理を担当する新氏だ。

そんな新氏が担当するプロジェクトの1つに、2017年11月30日に竣工したMEGURO CENTRAL SQUAREがある。地上27階、地下2階の超高層オフィスビルで、2棟の住宅棟とともに新たなランドマークとして注目されている。その建設現場で省力化を目的に採用されたのが、ヒロセ電機が開発した『ゼロスクリュー™端子台EF2シリーズ(以下、EF2)』だった。

選定ポイント 幹線ジョイントとしてテナント入れ替え時の原状回復がしやすい

選定ポイント:幹線ジョイントとしてテナント入れ替え時の原状回復がしやすい

省力化へ積極的に取り組んでいた新氏がEF2に出会ったのは、設備部内で品質管理を担当する部署からの紹介だった。「当初、分電盤内で利用する端子台として紹介を受けたのですが、EF2を見たときに幹線を接続するジョイント部分に利用できるのではと考えたのです」と新氏。通常、テナントに電気を供給する電気設備工事では、フロアに設置された分電盤まで幹線を伸ばし、そこからテナント内の各設備に電気を供給する。しかし、幹線そのものはビルオーナーの所有であるため、テナントの入れ替え時には原状回復が必要になる。ときには10人がかりで100m以上の長いケーブルを手作業で引き回すこともあるという。

ゼロスクリュー™端子台 EF2シリーズ

「EF2であれば、ジョイント部分より先だけをテナントの要望に応じて配線するだけで済み、原状回復に手間がかかりません。実際の接続時は工具を使わず挿し込むだけで結線でき、正しく挿し込まれたかの判断も本体を見るだけです。そしてトルク管理が不要。品質確保と省力化を両立できると考えたのです」。

ただし、当初は挿し込むだけの接続に不安を感じる場面もあったという。「従来の施工ではねじ締めを、専用レンチを使って最適な圧力で行いますが、このトルク管理の数値が品質管理の指標でした。確かにEF2は挿し込むだけなので省力化につながりますが、トルク値のような管理指標がなく、現場からは不安の声が寄せられました」と新氏。

そこで、「EF2のサンプルを現場に持ち込んで作業者に確認してもらいながら、EF2では、どれくらいのトルク管理値と同等なのか、ヒロセ電機から提示されたデータ値と合わせて確認しました。仮設の電源で検証も行い安全性を確認し、現場の作業者も含めて関係者の理解を得ました」という。

運用と評価 オーナー・テナント双方に価値を提供、管理効率の向上に寄与

現在は、MEGURO CENTRAL SQUAREのテナントスペースのうち、28店舗へ電気を供給するための幹線ジョイント部材としてEF2が3連組×2セットずつ導入されており、加えて、オフィス側テナントの分電盤内の一部にEF2が利用されている。

実際の工事では、熟練した作業が必要だった従来と比べて、幹線ジョイントが簡潔にできていると新氏は評価する。「圧着が弱いといった施工上の不具合に課題があれば絶縁抵抗が低くなり、漏電の恐れも出てきます。そのため、経験豊富な職長レベルが自ら専用器具を用いて施工し、若手が補助するのが通例でした。実際には熟練者が施工するものの、EF2では単に挿し込むだけなので作業効率は間違いなく向上しています」と話す。

省力化の面では、「従来は、1系統あたり3時間近く必要でしたがEF2ではその作業が約1時間で済みます。省力化は細かな積み重ねが大切で、全体工期の一部ですが作業性の向上と省力化につながっています。もちろん、テナントの入れ替え時も原状回復しやすく、またコスト削減にもつながり、ビルのオーナーとテナント双方にとってのメリットになります」と新氏は評価する。

品質管理の面では、「コネクタとして工場出荷時に一定の品質が確保されています。状態も挿し込まれているサインを確認するだけ。トルク管理も不要なので特別なメンテナンスをしなくても、一定の品質が確保されます」と新氏。

今後 ヒロセ電機とともに建設現場での“コネクタ化”を加速

竹中工務店  東京本店

今後は、幹線ジョイントだけでなく建設現場のさまざまな箇所でコネクタ化を進めたいという。「コネクタ化が進めば、工場出荷の段階で一定の品質が確保され、これによって現場での人的ミス防止と省力化が進められます。すでに照明のコネクタ化によって3割程度の作業工数削減が社内の実績データとして示されていることからも、建設現場のあらゆる場面でコネクタ化が進む可能性があります」と新氏。実際に、竹中工務店では照明のコネクタ化をヒロセ電機と共同開発されている。

ヒロセ電機に対しては、積極的に建設現場へ足を運んでもらい、従来の建設業界とは異なる視点で現場を見たうえで、コネクタを用いた新たな提案を期待しているという。「建設業界のコネクタ化は第一歩を踏み出したばかり。今後もぜひ一緒に歩むパートナーとして、現場の改善に向けて提案いただきたい」と最後に語っていただいた。

(2018年3月取材)

ゼロスクリュー™端子台 EF2シリーズ

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