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ミリ波の基礎知識 -Necessity to utilize mmWave signal with high frequency-

ミリ波を活用した製品の実用化のトレンド

ミリ波とは

ミリ波とは

ミリ波とは、電磁波(電波)で周波数範囲が30-300GHzを総称して呼びます。
日常生活で身近な電波には、ラジオやテレビの放送波がありますが、ミリ波の周波数はこれら身近な電波に比べて桁違いに周波数が高いもので、大容量データ伝送や高精度センシングへの活用が期待され、実用化が進みつつあります。

ミリ波が必要とされる背景

無線信号を送受信する装置や端末は、現在誰もが利用しています。より多くのエンドユーザーが沢山の情報を扱えば、それに見合うだけの無線信号帯域が資源として必要です。そのため、無線帯域という資源は、都市部などの通信トラフィックが集中する場所では枯渇してしまうおそれがあります。
それは、日常生活を支える通信・管理・制御を無線信号伝送に頼れないという、危急の課題に直面することになります。このような無線帯域枯渇に対して、従来あまり身近でなかった周波数の高いミリ波信号を積極的に活用する必要性が出てきました。

ミリ波と従来の無線信号の性質の違い

ラジオ・テレビの放送波では、放送波を発する基地局からエンドユーザーの受信(受像)場所が遠方にあっても、空気中での放送波のパワー減衰は少なく、かつ、回折と呼ばれる電波が広がる性質と、電離層・建造物などで反射しながら伝搬する性質に支えられ、放送波は受信アンテナまで回り込み、受信(受像)が成立します。
しかし、ミリ波の場合には光のように指向性が著しく高く、回折も少ないこと、加えて、大気中での無線信号パワーが大きく減衰するので、基地局-エンドユーザ間での遠距離伝送は大変困難となります。
ミリ波を誰もが使い、その特長を活かしたアプケーションを享受するには、これまでにない工夫やアイデアをもって利用形態を決める必要があります。
良く知られているミリ波活用の実例としては、ミリ波の直進性・周波数の高さという特長を活用し、車載レーダ・高精度センシングへのアプリケーションがあります。

ミリ波実用化への課題と解決に向けた流れ

装置内部に使われる電子回路やコネクタ・ケーブルといった周辺部品の多くには高精度・精密加工が要求されますが、ミリ波は周波数が高いので実用化には量産性も課題となります。
しかし、近年、量産前提で市場成立が可能なレベルまでCMOSや化合物の半導体プロセス・デバイス技術が進歩し、ミリ波を活用したセンサ、通信システム、装置、端末等を普及・実用化するべく、現在世界規模で関連製品の技術開発・量産化対応が精力的に進められています。

私たちのミリ波同軸コネクタ製品

ヒロセ電機では、長らくミリ波より周波数が低いマイクロ波領域までの同軸コネクタインターフェースランナップを製品展開し、お客さまに提供してきました。上記背景と周辺技術の進歩を鑑み、今後はミリ波製品のラインナップを順次揃えていく予定です。
この特集ページでは、私たちのミリ波同軸コネクタ製品の紹介するとともに、その特長をお客さまにご理解いただくことを第一と考えました。私たちが提供する製品やその情報が、ミリ波ベースの製品開発に携わる多くのお客さまとってお役に立つことができれば幸いです。

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