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ヒロセ通信

CES Innovation Awardsにて2冠達成!part.1

IoT、ドローン、折り畳めるスマートフォン、5G、電気自動車、スマートウォッチにスマートグラス、VR…。近年、非常に速いスピードで、世界中から新しい技術が続々と発表されています。新しいテクノロジーを生み出すのは名のある大企業ばかりではありません。多くの新興メーカーも革新的な技術を発表しています。それでは、企業はどのようにして自社の新しい技術を世間に発表しているのでしょうか。

テクノロジー業界では年にいくつか大きな展示会が開かれています。展示会では何百、何千という企業が出展し、自社の新しい製品・技術をお披露目、商談の場としています。数ある展示会の中でも世界最大規模の展示会がCESです。CESとは、Consumer Technology Association(CTA、全米民生技術協会)が主催し、毎年1月にアメリカのラスベガスで開催されるコンシューマ・エレクトロニクス分野の見本市です。見本市・展示会というと新製品が発表される場というイメージですが、近年のCESでは、最先端デジタルテクノロジー、つまり製品よりも最新の技術が主役となってきています。また、元は家電などが中心の展示会でしたが、自動運転の発展に伴い自動車メーカーの出展が増えているなど、展示会の形も大きく変わってきています。ヒロセ電機も、世界最先端のコネクタを多くのお客さまに知っていただくため、例年出展をしています。

2020年1月に開催されたCES2020において、ヒロセ電機のコネクタが、国際的な賞である「CES Innovation Awards」を受賞しました。この賞は28の製品分野において注目すべき製品を表彰するもので、製品の品質、デザインの美しさ、ユーザーに提供する価値、製品仕様の独自性と新しさ、他の製品と比較した革新性という評価基準で審査されています。

受賞した製品の多くは、コネクタのような部品ではなく、BtoC、一般消費者向けの製品です。コネクタのような、消費者に直接販売されることがない製品が受賞することは稀だと言われています。さらに喜ばしいことに、今回は2部門にてヒロセ電機の製品が受賞しました。

■受賞製品 BM46シリーズ

ヒロセ電機の製品BM46シリーズが、“Mobile Devices & Accessories”というカテゴリーにて受賞しました。このカテゴリーには、スマホなどのモバイル端末とそれに関連する製品が分類されています。BM46シリーズは、スマホなどの電子機器の内部接続に使用される“基板対基板コネクタ”です。



基板対基板コネクタ自体は、多くの種類がありますが、ヒロセ電機のBM46シリーズはどのような点が素晴らしく、この賞の受賞につながったのでしょうか。

―BM46シリーズ すごいポイント!―

その(1) マルチRF対応基板対基板コネクタ

呪文のようなタイトルですが、RFとはRadio Frequencyの略で、日本語では同軸と呼ばれています。例えばテレビは遠くのテレビ局から各家庭にリアルタイムで同じ信号を流していますが、放送が遅れないよう高速で通信が行われ、その信号は周波数が高いものになります。周波数が高くなると、ノイズが発生しやすくなり、信号漏れも発生します。そこで、高周波信号を流すためには、同軸ケーブルというケーブルが使用されています。この同軸ケーブルはケーブルの外側を信号が漏れないようシールドで覆っており、信号を効率よく伝送し、さらに外部からの電波の侵入やノイズの影響を最小限に抑えることができます。電子機器、特にスマートフォンのようなモバイル端末は、どんどん小型化・薄型化しており、少しでも内部の容量を小さくすることが求められています。このBM46シリーズのすごい点は、このコネクタ一組で複数の同軸信号を通すことができることです。

コネクタの写真をよく見ていただくと、それぞれプラスチックと金色の小さな粒が交互に並んでいるのが見えます。



この金色の部分が端子で、ここにデジタル信号や同軸信号が通ります。実はこの端子一つひとつは、それぞれ異なる信号を流すことができます。といってもノイズが発生しやすい高周波信号を流してしまうと、隣の端子にも影響を与え、その端子を通る信号がうまく伝わらなくなってしまいます。そこで、この端子は全てが信号を流すわけではなく、端子と端子の間にグランドという電波の干渉を防ぐ役割を持つ端子が組み込まれています。こうすることで同軸ケーブルを使用することなく、一つのコネクタで電流も信号も高周波信号も流せるのです。さらに中央にもシールド(コネクタの真ん中にスッと通っている金色の部分)を通すことで、両側の電波を隔てて、それぞれ別の信号を流すことを可能としています。



その(2) お客さまの省スペース化に貢献!

スマホの場合、3G、4G、5Gなど、周波数が異なる信号を受け取るには、それぞれの周波数に対応したアンテナが必要になります。受け取った信号を電子機器内に流すための同軸ケーブルとそれを接続する同軸コネクタがそれぞれ必要になり、かつ、それ以外の電波や信号は基板対基板コネクタで接続される、というのが従来の接続でした。BM46シリーズは同軸信号・その他の信号を一つのコネクタで流せるので、スペースを1か所にまとめることができ、機器内の省スペース化に貢献し、最終的には電子機器自体の小型化につなげられます。

その(3) この性能でこの小ささ!



BM46シリーズは高性能なコネクタでありながら、非常に小さなコネクタです。右に見えるコインの大きさは直径17.9mmと小さいのですが、そのコインと並べてもBM46シリーズはこんなに小さいのです。今後IoTの加速など、多くの身の回りの物に電子部品が搭載されることが予想されますが、大きなスペースを利用することなく、お役立ていただけるのです。

これらの点が評価され、今回は受賞するに至りました。

冒頭で申し上げていたように、2つの製品が受賞したのですが、皆さまにこの製品のすばらしさを伝えたいあまり文章が長くなってしまいました…。もう1点の受賞製品は、part.2にてご紹介したいと思います!

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