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押さえておきたいコネクタの基本解説!コネクタの接続キーポイント:基板実装

コネクタとは?コネクターって何?という疑問から、コネクタを使った製品実装の重要なポイントといった専門的な所まで、コネクター専業メーカーの老舗ヒロセ電機がコネクタの基礎基本をご説明する連載記事「押さえておきたいコネクタの基本解説!」。

今回は電気を正しく伝送するための3つの接続キーポイントのうち、3つ目の接触部についてです。最終的な組み立て時には「かん合」と呼ばれるコネクタ同士をはめ込む作業を行いますが、電気を正しく安定して送るために、この作業の中でどのようなポイントがあるのかご説明いたします。

接点の抵抗値/接触抵抗値が重要

接点の抵抗値/接触抵抗値が重要

コネクタのかん合(嵌合)とは、コネクタ同士をはめ合わせることを言います。この組み立て作業は製造/ハーネス/基板実装メーカーとは別に、専門の組み立てメーカーが行ったり、社内で対応する場合でも組み立て作業を専門に行う部署が担当したりすることが多くあります。それほど、コネクタのかん合は専門的な技術や知識が必要な作業なのです。

コネクタ同士のかん合は、接触部の役割が非常に重要ですが、接触部の良し悪しは接点の抵抗値の安定性を基準にして見定めます。「接点の抵抗値」は、コネクタのカタログや仕様書では「接触抵抗値」として必ず記載されています。

接触抵抗値を安定させるために 

接触抵抗値が不安定では、電気を正しく伝送させられません。

そのためコネクタメーカー各社は、接触抵抗値を安定させるために、コネクタの設計にさまざまな工夫を盛り込んでいます。

[被膜対策] 接触圧力を高める

[被膜対策] 接触圧力を高める

端子接点部は様々な形状がありますが、どれも金属ですので酸化被膜ができてしまいます。接触圧力を高めることで端子接点は酸化被膜を突き破れ、電気を正しく伝送させられます。

[腐食対策] 接点部にめっきを付ける

[腐食対策] 接点部にめっきを付ける

端子の金属表面は時間が経つと酸化して腐食してしまい、その後は不導通の状態になってしまいます。これに対して、不導通を防ぐために端子接触部とはんだ付け部にそれぞれ適したメッキを施すことで、長期間安定した接触抵抗値を保てます。

[振動対策] 接点を固定する

[振動対策] 接点を固定する

車載機器や産業機器をはじめ、各種装置では振動が発生します。その振動は端子接点を摩耗させて不具合を生じさせてしまいますが、コネクタの接点を固定することで振動による不具合を減少させることができます。

[異物ゴミ対策] 多点接点にする

[異物ゴミ対策] 多点接点にする

機器によってはほこりやちりのある環境で利用します。このような環境で利用する機器の場合は、多点接点構造を持ったコネクタを使うことで、異物が入り込んでしまっても接触抵抗値を保てます。

端子に付けるめっき種類の選び方

接触抵抗値を安定させるために接点部にめっき加工をしますが、めっきの種類の選び方をご質問いただくことが多々あります。迷ったときには、機器の使用環境や回路電流などを基準と照らし合わせてめっきの種類をお選びください。すべて金めっきでご利用いただければ接触抵抗値は安定しますが、すずめっきか、金めっきか、を適切に選択いただくことでコスト削減に繋がります。

端子に付けるめっき種類の選び方

次回は、接続部を部材ごとに「シールドケーブル」、「FPC/FFC」、「同軸ケーブル」、「光ファイバー」で分けてご説明していきます。

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