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押さえておきたいコネクタの基本解説!コネクタの接続キーポイント:コネクタと接続部材

コネクタとは?コネクターって何?という疑問から、コネクタを使った製品実装の重要なポイントといった専門的な所まで、コネクター専業メーカーの老舗ヒロセ電機がコネクタの基礎基本をご説明する連載記事「押さえておきたいコネクタの基本解説!」。

今回はコネクタとその接続部材についてです。これまで見てきたように、一口にコネクタと言ってもさまざまな基板やケーブル接続方法があり、接続する部材にも種類があります。今回は代表的な接続部材について、コネクタの種類ごとに「シールドケーブル」「FPC/FFC」「同軸ケーブル」「光ファイバー」で分けてご説明していきます。

シールドコネクタ

シールドコネクタとは、ノイズ対策用に金属シェル(周りを囲む部材)が付いたコネクタです。インターフェースコネクタに多い構造です。

シールドケーブル

シールドコネクタの構造

シールドコネクタの接続には、金属でできたシールド部分(シールド編組)が付いているシールドケーブルを使用します。金属シェルとケーブルのシールド部を一緒に加締めて接続することで、余計なノイズをグランドに流して信号を守る避雷針のような役割を果たします。

アース(グランド)

FPC/FFC用コネクタ

基板対基板や基板対電線コネクタはプラグとレセプタクルのペアが必要ですが、FPC/FFC用コネクタはFPC/FFCを受けるタイプのコネクタのため、必要なコネクタは一つです。基本的には「フタをあけて、FPCを規定位置まで挿入し、フタを閉める」という3つの動作で接続します。

FPC

フレキシブルプリントサーキット(Flexible Printed Circuits)の略です。フィルムに配線や回路を印刷したもので、自由に形状を設定でき、FPC上にコネクタを実装することもできます。また、耐熱性が高いのも特長です。

FPCコネクタ

FFC

フレキシブルフラットケーブル(Flexible Flat Cable)の略です。平らな導体を複数並べてラミネートしたものです。基本的に接続部材がFPCでもFFCでもコネクタの構造は同じです。FPCと違い、FFC上にコネクタは実装できません。FFCは単純な平行接続しかできませんが安価です。

FFCコネクタとFFC

同軸コネクタ

主にアナログのアンテナ信号を専門に扱うコネクタです。ご家庭のテレビの接続にも使用されています。同軸コネクタには、「切削加工」で作られるコネクタと「プレス加工」で作られるコネクタがあります。その他には、「冷間圧造(ヘッダー)加工」や、金属ダイカスト加工のコネクタもあります。

切削同軸コネクタ

切削タイプ 例:放送用75Ω

放送用カメラ
プレス同軸コネクタ

プレスタイプ 例:モバイル用50Ω

同軸ケーブル

同軸コネクタの接続には同軸ケーブルが必要です。写真のように、同心円状の内部導体と外部導体で構成されています。内部導体に信号が流れますが、周波数が高くなると電波が内部導体から飛び出そうとします。電波が飛び出してしまうと、正しい信号が減衰したり、他へ悪影響を及ぼす「ノイズ」になったりしてしまうので、それを外部導体で受け止めています。

同軸ケーブルの構造

光コネクタ

光ファイバー

最後に「光ファイバー」を接続する「光コネクタ」です。光ファイバーは、海底ケーブルをはじめ世界中に張り巡らされています。また、ご家庭の近くやご家庭内までにも張り巡らされています。その光の点滅の信号を正確に伝送するために光ファイバーの端面同士を隙間なく、ズレなく、ピッタリと合わせるのが、「光コネクタ」の役割です。
「パッシブタイプ」と呼ばれる光信号をそのまま伝送するものや、「アクティブタイプ」と呼ばれる電気信号を光信号へ変換し、再び光信号を電気信号へ変換するコネクタモジュールもあります。
「光ファイバー」通信のメリットは、長距離でも安定した高速伝送が可能でノイズの影響を受けないことです。電気的に確実に絶縁したい箇所にも多く採用されています。その一方で、ガラスでできていて折れやすいので、鋭角に曲げることはできません。

パッシブタイプ光コネクタ

パッシブタイプ

アクティブタイプ光コネクタ

アクティブタイプ

光コネクタの構造

次回は、コネクタの名称やその特徴についてご説明いたします。

前の記事>その4)コネクタの接続キーポイント:接触部
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